ある家族は幼い息子と共に新たな生活を始めるために商機を求め、アメリカに向けてイギリスから出航した。
近江の国琵琶湖北岸の村に暮らす貧農の源十郎は、畑の世話をする傍らで焼物を作り町で売っていた。
賤ヶ岳の戦いの前に長浜が羽柴秀吉の軍勢により占領され、賑わっていることを知った源十郎は、妻の宮木と子を残し、焼物を載せた大八車を引いて長浜へ向かった。
義弟の藤兵衛は、侍になりたいと源十郎に同行する。
源十郎は大銭をもって村へ帰ってきた。
藤兵衛は市で見かけた侍に家来にするよう頼み込むが、具足と槍を持って来いとあしらわれる。
源十郎は戦が続くうちに、さらに焼物を作り大儲けをしようと、人が変わったように取り組むが、宮木は親子3人が幸せに暮らせればそれで充分なのに、とつぶやく。
源十郎と藤兵衛は焼物を窯へ入れ、火を付けるが、折り悪く柴田勝家の軍勢が村へ近づいて来た。
男は人足として徴用され、女は乱暴される、と村の人々は山へと逃げだす。
窯の火は消えていたが、焼物は綺麗に焼けていた。
雨月物語は、マイアイテムに登録したまま、しばらく観なかった。
白黒映画だし、なんだか古い感じ。
いい加減、観なきゃと思って見始めた。
観る前、めちゃくちゃ眠かったので、途中で寝落ちしちゃくかもと思っていた。
ところが、面白かった。飲み物も飲まずに観きった。
この映画、兄弟の人生を描くのだけど、兄のほうは、亡霊にたぶらかされ、思わず、牡丹灯籠を思い出した。
弟は立身出世しか頭になく、自分が出世したときには、妻は遊郭にいて、そこで気が付いて、すべてを捨てて、一緒に郷里に帰る。
すごいよね。今だったら、離婚かも。
でも、この映画、もちろん、環境は違うけど、今でもありえそうだ。
人間って、どれほど年月が経過しても変わらないんだなぁというのが感想。
なるほど、OSCARにノミネートされるわけだ。